2015年12月18日

第8回「もうひとつの絆フォーラム」

恒例の「もうひとつの絆フォーラム」も今回で8回目を迎えました。11月29日仙台市泉区にあるのびすく泉中央で70名の参加者を迎え開催されました。はじめに、宮城県北部児童相談所の枡良之次長から里親を待っている子どもたちの状況が報告されました。続いて、横浜市にある子ども虹情報研修センター研究部長の川松亮氏による「児童虐待の背景にあるものは~里親養育による子どもへの支援~」と題した特別講演が行われました。昨今、児童福祉分野においては、あらゆる情報が錯綜しております。川松先生からはわかりやすく整理していただきながら、わが国の児童虐待の現状、虐待を受けた子どもの様子、虐待の背景、しつけと虐待の違いについて、求められる支援のありかた等について、ご講演いただいました。その中からいくつかご紹介しますと、虐待よりも少し広くとらえるマルトリートメント(大人の子どもへの不適切なかかわり)という考え方についてです。この考え方で、保護者を責めずに、改善を促したり、一緒に考えていったり、必要な資源につなぐなどの支援がとても大事になってくるそうです。また、子どもたちの自立支援には、まずは安全・安心な暮らしがベースとなります。毎日、安定したリズムでのあたりまえの生活、同じリズムを繰り返していくことが力になるといいます。このように日常の営みの中で「受けとめられる体験」などを通し、「人に助けてと言える力」が身に付け、社会的孤立などを防ぐ力にもなっていきます。これらのことは、子どもだけに限らず、大人にも同じことが言えます。親子の支援のためには、ストレングスベースドの支援、リスクとストレングス(強み)の双方をバランスよく見て、子どもと家族の真のニーズを考えていくことの重要性についても学ぶ機会となりました。現在わが国では、虐待相談を受けた9割は在宅になる実態もあり、これからの支援のありかたを問う機会にもなりました。また、トークセッションでは、里親をされている早坂えみ子氏を囲み、里親だからこそ味わえる喜びについて語り合いました。今後もこのようなフォーラムや研修を継続しながら、“里親制度の普及”や“学び”にも力をそそいでまいります。みなさまの参加をお待ちしております。