2015年04月27日

絆フォーラム報告

2月14日(土)「第6回もうひとつの絆フォーラム」が行われ,85名参加いただきました。

 行政報告では宮城県中央児童相談所の遠藤哲也次長から、現在の宮城県の子どもたちの状況や里親委託の状況,これからの宮城県における家庭的養護の方向性についてご報告いただきました。

 また、特別講演では林浩康先生「ともに育てる里親養育」というテーマでお話ししてくださいました.先生のお話しの中から以下,2つご紹介すると、まず1つめに,里親さんだけでなく、ひろく保護者の方々も,「保護者の責任」や「所有物観思想」というものによって,抱え込んでしまうことが問題であり、その原因に「いい加減=いいあんばい」な子育てを許さなない社会の風潮などもその一つであると指摘されていました。「ともに育てる養育」とは,悩んだときには,SOSを出せることが,養育者として「力量がある」という考え方をし、養育を「ひらき」「つながる」ことが大事とのことでした。

 2つめに,「固有の子育て観にとらわれない」ということについて。養育する大人側が、これまで培ってきた「子ども観」や「子育て観」が,有効である場合もあれば,そうでない場合もあるという事を理解することです。独自の子育て観を優先せず、自らの養育のあり方を振り返るために、他者からの助言や子どもの声に耳を傾ける謙虚さが大切になります。つまり、自己理解です。また、家庭環境であっても,「子育て」は,「社会的」なものであるということです。その他にも、いろんなヒントが散りばめられた講演でした。 

 第3部のトークセッションでは,山崎剛(子どもの村東北理事)の進行で,里親さん(仙台市ほほえみの会,宮城県なごみの会の皆さん)からいろんなエピソードを聴く基調な機会になりました。あらためて,里親という「生き方」のすばらしさを改めて感じる機会となりました。

 最後に,宮城県の子育て支援課の吉岡班長から、来年度から開始する「(仮)宮城県家庭的養護推進計画」の中間案について説明がありました。県の計画は平成27年度から平成41年までの15年間を期間として策定されます。今後の宮城県の家庭的養護の方向性についての大事な時期に来ている事を改めて感じる機会になりました。  

  次回のもうひとつの絆フォーラムは,6月28日(日)石巻市内で開催を予定しております。宜しくお願いいたします。